コーススレッドネジの商品パッケージに記載されている5つの規格は、 1.サイズ・ネジ規格(径と長さ)2.ラッパ(ビス頭部分がラッパ曲線)3.フレキ(ビス頭部分にリブ形状)4.全ネジ(ネジ山が最後まで)5.半ネジ(ネジ山が途中)などがあります。
Question1.「『コーススレッド』の3.8×41とか4.2×75とか3.8×25や4.5×90などの掛け算は何ですか?『コーススレッド』の規格かなんかですか?
Question2.「ホームセンターで『コーススレッド』のパッケージをよく見たら、『ラッパ』とか『フレキ』って書いてありました。わからないので購入できませんでした。一体どのような規格なのでしょうか?」
Question3.「『コーススレッド』の『全ネジ』とか『半ネジ』の規格は何でしょうか?」
今回は、このような疑問にお答えいたします。
『コーススレッド』は規格が未整備なのでしょうか?
様々な種類が存在しますので、わかりにくいですね。
間違えて購入して、失敗することがないように基本的な『コーススレッドの規格』を簡単に解説します。
知っていれば、なんてことないことですが、知らないと、悩んでしまい、とてもわかりにくいのが規格なので、あなたのDIYが失敗しないように分かりやすくしました。
コーススレッドの基本情報は関連記事
『コーススレッドとは?木ネジやビスとの違いで簡単にわかる!』をお読みください。
コーススレッドは、ツーバイ材同士の固定や合板と木材の固定によく用いられる粗目造作ビス一種です。
工業デザイン業を営む筆者が、
「規格」の意味は工業製品などの品質・大きさ・形状などについて定められた標準のことなので、これに準じて『コーススレッドの規格』をご説明いたします。
コーススレッド商品パッケージから見る重要な5つの規格とは?
商品パッケージには、商品情報がたいてい網羅されています。
建築金物メーカー【ノグチ】の建築用ビスブランド【匠力】(たくみぢから)のコーススレッド徳用箱を例に『コーススレッド規格』を見てみます。
先ず、上図①~④のコーススレッド パッケージをご覧ください。
商品の重要な情報が書かれていますので箇条書きにしてみます。
- メーカーブランド:匠力(たくみぢから)
- 商品名:(コーススレッド)
- 材質:(ステンレスSUS304とかステンレスSUS410)
- メーカー型番:(SCA41とかSCB75とかSCC25とかSCC90)
- サイズ・ネジ規格:(3.8×41とか4.2×75とか3.8×25とか4.5×90)
- 形状規格:(全ネジとか半ネジ・ラッパとかフレキ)
- 数量:(700本・300本・1050本・200本)
- 商品イラスト
どれも中身の商品を知るために大切な情報ですが、特に重要な情報は赤太字で記しています。
冒頭の疑問点の質問も、赤太字で記した重要な情報と一致します。
知っていれば、なんてことないことですが、知らないと、悩んでしまい、とてもわかりにくい規格なのかもしれません。
コーススレッド5つの規格とは?
1. サイズ・ネジ規格・・・コーススレッドの径と長さ
2. ラッパ・・・ビスの頭部分が緩やかなラッパのような曲線になっている
3. フレキ・・・ビスの頭部分にリブ形状の突起物がついている
4. 全ネジ・・・ネジ山が最後まで切ってあるのが全ネジ
5. 半ネジ・・・ネジ山が途中で終わっているのが半ネジ
材質・・・材質もコーススレッドの規格のひとつです。
ステンレスコーススレッド商品パッケージにあるSUS304とSUS410とはなに?
材質の規格は別記事でお伝えいたします。
続きはこちら
コーススレッドのステンレスについては別記事でお伝えいたします。
『コーススレッドステンレス規格とは? 数字の304や410とは?』
では、冒頭のご質問に沿って、順次ご説明いたします。
1.サイズ・ネジ規格・・・コーススレッドの径と長さ
ご質問の回答から、
Question1・・・「『コーススレッド』の3.8×41とか4.2×75とか3.8×25や4.5×90などの掛け算は何ですか?『コーススレッド』の規格かなんかですか?」
Answer1・・・3.8×41は算数式ではありません。
『コーススレッドの径と長さ』です。
3.8 ×41 とした方がわかりやすいです。
ネジ類は通常 ネジ径(d) × 長さ(L) という形でサイズを表します。
この場合 3.8は『コーススレッド』の(ネジ径) で 41は(長さ)でミリ(㎜)単位です。
数字「3.8」はそのままで直径が3.8㎜、
「×41」は長さが41㎜だということを表しています。
上の図の通りです。
コーススレッドのおもなサイズのネジ規格・・・
規格化されたコーススレッドの径と長さ(スリムビスも含め)を箇条書きすると、次のようになります
径3.3㎜ スリムビス対応になります。長さ25㎜~50㎜(5㎜間隔)
径3.8㎜ 長さ25㎜~57㎜(スリムビス長さ55㎜~75㎜ 5㎜間隔)
径4.2㎜ 長さ65㎜~75㎜(スリムビス長さ90㎜)
径4.5㎜ 長さ90㎜~100㎜
径5.2㎜ 長さ120㎜
スリムビスとは、コーススレッドよりも少し細くコーススレッドに似た木ネジです。
スリムビスは軸が細いので下穴をあけなくてもいいネジと言われています。
2×4より薄い1×4材に打つにはコーススレッドよりもスリムビスの方がいいので、
木製の家具などのDIYにおすすめですが、コーススレッドより値段が少し高いです。
文字だけだと少しわかりにくいので表にすると、次のようになります。
【スリムビスのネジ規格表】
同様に、コーススレッドもわかりにくいので表にすると、次のようになります。
【コーススレッドのネジ規格表】
コーススレッドは太さ(ネジ径㎜)で選ぶというよりは、長さ(全長L㎜)で選びます。
取り付け木材の厚みと固定材の厚みの関係で、固定材に食い込む長さが20㎜以上あるとガッチリつきます。
1×4は厚み19㎜なので、ネジ先端が木材から突き出ない長さの15㎜くらいが目安です。
取り付け木材の厚み+20㎜以上=コーススレッドの長さ(全長L㎜)
続きはこちら
コーススレッドの長さ選択については別記事でお伝えいたします。
DIYでよく使う1×4(ワンバイフォー)と2×4(ツーバイフォー)の厚みの組み合わせで図解いたします。
『コーススレッドの長さは?取付材の厚みとネジ込み深さ20mm以上』
2. ラッパ・・・ビスの頭部分が緩やかなラッパのような曲線になっている
3. フレキ・・・ビスの頭部分にリブ形状の突起物がついている
Question2・・・「ホームセンターで『コーススレッド』のパッケージをよく見たら、『ラッパ』とか『フレキ』って書いてありました。わからないので購入できませんでした。一体どのような規格なのでしょうか?」
Answer 2・・・上図のように『コーススレッド』の頭部形状の違いで、『ラッパ』と『フレキ』という2種類があります。
先ず、
『コーススレッド ラッパ』とは、
ビスの頭部分が緩やかなラッパのような曲線になっているのが『ラッパ』です。
木材に打ち込み、木材にラッパ頭が入り込んだ時、ラッパ形状の接地面がネジ径より大きいため、入り込みを抑制します。
ですからネジ頭部が木材に沈み込みにくい特徴を持っています。
つまり、
『コーススレッド』を打った時、
木材にビス頭を埋没させたくない時や結合する木材同士を確実にネジ固定したい時に使います。
柔らかい木材や下地材のプラスターボード(石膏ボード)や軽量鉄骨を締結するのに用いられます。
これらを固定するときは、必ず『コーススレッド ラッパ』を選択しましょう。
次に、
『コーススレッド フレキ』とは、
リブ形状の突起物がついているのが、『フレキ』です。
『ラッパ』と逆の使い方をしたい時、
材料に沈み込ませたい時に使います。
硬い材料の結合では、『コーススレッド ラッパ』は空回りして木材に沈み込みません。
そんな時、『コーススレッド フレキ』を使います。
特にケイカル板のような硬い材料やメラミン化粧合板などは、リブ形状の突起物がすり鉢状のザグリでサラモミをしながら入り込みますので、確実にネジ頭が入り込んで結合させます。
続いて、
4. 全ネジ・・・ネジ山が最後まで切ってあるのが全ネジ
5. 半ネジ・・・ネジ山が途中で終わっているのが半ネジ
Question3・・・「『コーススレッド』の『全ネジ』とか『半ネジ』の規格は何でしょうか?」
Answer 3・・・コーススレッドは全ネジと半ネジの2つの種類があります。
上図のように頭高さのサラ下部分に違いがあります。
・ネジ山が最後まで切ってあるのが全ネジ
・ネジ山が途中で終わっているのが半ネジ
木材同士を接合する場合、半ネジと全ネジの使い分けが必要です。
結論から言いますと、
木材同士をピッタリと接合するには、半ネジを使用します。
半ネジの頭側にはネジが切られていないので、木材に力が加わらず、ねじ山側の木材がねじ先側の木材を引き付けようとする方向に力が加わるので締まります。
しかし、
全ネジはネジの先端と頭側とでは、ネジ幅と力の大きさが異なるので、押す方向一方に力が加わり木材に隙間があいてしまいます。
厚いもの同士の木材を重ねて打ち込み固定するとき、取り付け物が浮き上がってしまって、隙間があいたままで締まらないことがよくあります。
ツーバイフォー材とツーバイフォー材など木材同士のすき間を開けずに確実に締結できる半ネジタイプのコーススレッドをおすすめします。
強度面では全ネジも半ネジも、打ち込んだ時点ではあまり変わりません。
半ネジ固定は経年劣化により取りつけた木材が痩せたりすると、ネジ山がないところでコーススレッドと木材に隙間ができるので、緩んだりガタツキの原因になります。
反面、
全ネジ固定は経年劣化で取りつけた木材が痩せても緩みやガタツキが起きにくい。
まれに、ネジが腐食してネジ頭が取れたりしても、木材同士がネジ山で接合されているので、緩みやガタツキが起きにくい特徴があります。
半ネジと全ネジの使い分けに十分ご注意ください。
まとめ
商品パッケージには、商品情報がたいてい網羅されています。
コーススレッドネジの規格は商品パッケージに文字やピクチャーで記載されています。
今回は人気コーススレッドから選んだ【匠力】(たくみぢから)のコーススレッド徳用箱を例に『コーススレッド規格』を見てみました。
いかがでしたか?
コーススレッド5つの規格がおわかりいただけたでしょうか?
1. サイズ・ネジ規格・・・コーススレッドの径と長さ
2. ラッパ・・・ビスの頭部分が緩やかなラッパのような曲線になっている
3. フレキ・・・ビスの頭部分にリブ形状の突起物がついている
4. 全ネジ・・・ネジ山が最後まで切ってあるのが全ネジ
5. 半ネジ・・・ネジ山が途中で終わっているのが半ネジ
ですね。
なんでもそうですが、
知っていれば、なんてことないことですが、知らないと、悩んでしまい、とてもわかりにくいのが規格かもしれません。
とりあえず参考になれば幸いです。
では、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
DIYネットサンク ノマー
引き続き
コーススレッドの関連記事
コーススレッドについて、本記事以外にも下記のようにありますので、
ご理解いただけますように是非ともお読みください。
『コーススレッドとは?木ネジやビスとの違いで簡単にわかる!』
『コーススレッドステンレス規格とは? 数字の304や410とは?』
『コーススレッドの長さは?取付材の厚みとネジ込み深さ20mm以上』