コーススレッドと木ネジ・ビス タイトルイメージ

 

●「ツーバイフォー材や合板のDIYで、接合するのに無くてはならないものは木ネジ類だと思いますが、ホームセンターの売り場でよく目にする『コーススレッド』という木ネジは、一体どんなネジなんでしょうか?」

●「コーススレッド・ビス・木ネジとの違いってなんですか?」

今回はこのような疑問や『コーススレッドとは?』と題して、コーススレッドの特徴やビス・木ネジとの違いを工業デザイン業を営む筆者が、ご説明いたします。

ところで、

DIYをする時「木材の接合方法」ってとても重要ですね。

あなたは、DIYで人気のツーバイフォー材や合板などの接合はどうしていますか?

一般的な木材の接合方法を簡単に箇条書きにして見ますと、

1. ドライバーでビスや木ネジを使ってつなぐ接合方法

2. トンカチで釘を使って材料と材料を固定するポピュラーな接合方法。

3. 接着剤でつなぐ接合方法。

4. ダボとダボ穴による接合もあります。

5. ジョイント金具(シンプソン金具)のような金物を使ってつなぐ接合方法。

6. 組み手を使ってつなぐ接合方法。
大工さん並みの加工精度を伴いますが、強度が強く、見た目も美しく最高です。

これら代表的な接合方法の中でも、
最も人気があり簡単な接合方法がビスやネジ・釘による接合方法ではないでしょうか。

コーススレッドは電動工具(電動ドライバーやインパクトドライバー)があれば、簡単に木材接合ができるネジです。

では、ご説明いたします。

 

コーススレッドとは何でしょう?

コーススレッド

コーススレッドの分類

木工用の木ネジやビス(粗目造作ビス)の一種です。

 

コーススレッドの英語語源

深く鋭く尖った先端形状で、らせん状のネジ山とネジ山の間隔が粗い形状

深く鋭く尖った先端形状で、らせん状のネジ山とネジ山の間隔が粗い形状をしています。

この形状こそが、コーススレッドの語源になっています。

英語でコーススレッド(Coarse thread)のコースは(Coarse)は粗い

スレッドは(thread)はネジ山という意味です。

つまり、ネジ山とネジ山の間隔が粗い形状のネジのこと

ちなみに、

“ビス”は、フランス語。

 “木ネジ” は、日本語です。

 

コーススレッドは、強力な締結力・高い保持力が特徴

木ネジやビスとは異なり、粗く深いネジ山を持っています。

粗いネジが木材繊維に食い込みながら木材同士を接合締結させる力が強く、簡単に引き抜けることはありません。

この強力な締結力・高い保持力が特徴です。

かなづち で釘を打って材料と材料を固定するポピュラーな釘接合方法に比較すると、ドライバーでビスや木ネジを使ってつなぐネジ接合方法の方が高い保持力を発揮します。

特にコーススレッドの保持力は高く、釘の5倍といわれる優れた保持力を発揮するので、人気がある訳です。

 

コーススレッドは、熱処理がされていて堅い

コーススレッドは木ネジとは違い、熱処理加工がされていて堅いのが特長です。

『熱処理』をちょっと簡単に説明しますね。

『熱処理』とは、金属材料に加熱と冷却を加えて形を変えることなく性質を向上させる加工技術のことです。
よく『焼入れ・焼もどし』って聞いたことありませんか?
鋼は熱したあとに急激に冷却すると硬くなるため、この性質を利用して素材を硬くする熱処理が「焼入れ」です。
しかし、
焼入れした鋼は硬くてもろい性質になるため、実際に使用するには再加熱する『焼もどし』を行なう必要があります。
『焼もどし』を行なうことで、硬くて強い素材になるというわけです。

 

電動ドライバーやインパクトドライバー向き

電動ドライバーなどでツーバイフォー材に打ち込んでも曲がらず使うことができるので接合するのに向いています。

インパクトドライバーで直接ネジ込んでも、細い径と荒いネジ山で材が割れにくい構造になっているので、電動工具を使用して木部に対して下穴なしで打込むことができると言われています。

しかし、一般的には下穴がいらないと言われていますが、実際、経験上ですが、コーススレッドを木材の端や合板の木口面に打つと割れる確率が高いんです。

コーススレッドは下穴が必要!!

下穴とはネジを打つ箇所にあらかじめ小さな穴を開けることを言いましたよね。

下穴をあけておくと、木材が割れるリスクを少なくさせるからですが、垂直に開けることも下穴の最良の条件です。

この下穴はネジ(コーススレッド)の誘導穴にもなるので、斜めに開いていると結合部材との密着にも悪影響を与えることになります。

基本は部材同士がきっちり隙間なく垂直に結合されているこが望ましいからです。

失敗したくない方は、面倒くさいですが、下穴をあけた方が無難なので、上板に下穴を開けましょう。また、下穴をあけておくと仕上がりが美しく、作業効率が上がります。

コーススレッド 下穴 サイズ

下穴の直径はコーススレッドの太さより少し細いくらいがちょうどよいです。

Φスリムビスは、太さが3.3mmなので2.5mm~3mmの一回り小さいドリルビット。

Φコーススレッドは、太さが4.2mmなので3.5~4mmの一回り小さいドリルビット。

下穴の深さはコーススレッドの半分程度でOK。

コーススレッドのサイズ

コーススレッドの規格が未整備なのでしょうか?様々な種類が存在するので、何を選べばいいかわからない方がいらっしゃるかと思います。

コーススレッドの長さ

25mm程度から150mm程度までさまざまな長さの製品があります。

コーススレッドの太さ

長さに応じた太さになっているので、コーススレッドは太さで選びません。

【主なもの】

Φ3.3㎜ スリムビスになります。
Φ3.8㎜ 長さ25㎜から57㎜まで

Φ4.2㎜ 長さ57㎜から75㎜まで

Φ4.5㎜ 長さ90㎜から100㎜まで

Φ4.8㎜ 長さ120㎜

続きはこちら

コーススレッドの長さは?何を選ぶか簡単にわかります。

『コーススレッドの長さは?取付材の厚みとネジ込み深さ20mm以上』

関連記事コーススレッド長さアイキャッチ

コーススレッドの規格は別記事でお伝えいたします。

コーススレッドネジの商品パッケージに記載されている5つの規格
1.サイズ・ネジ規格(径と長さ)
2.ラッパ(ビス頭部分がラッパ曲線)
3.フレキ(ビス頭部分にリブ形状)
4.全ネジ(ネジ山が最後まで)
5.半ネジ(ネジ山が途中)
などを分かりやすく解説。

コーススレッド規格とは?商品パッケージから分かる5つの情報!』

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全ネジと半ネジの関係

コーススレッドの全ネジと半ネジ

コーススレッドは全ネジと半ネジの2つの種類があります。

コーススレッドの上半分の部分に違いがあります。

・ネジ山が最後まで切ってあるのが全ネジ

・ネジ山が途中で終わっているのが半ネジ

木材同士を接合する場合、全ネジと半ネジは使い分けが必要です。

結論から言いますと、

木材同士をピッタリと接合するには、半ネジを使用します・・・

 

コーススレッドの材質

鉄、ユニクロ、ステンレスなどの素材の種類の違いがあります。

鉄のユニクロメッキが一般的です。

続きはこちら

コーススレッドのステンレスについては別記事でお伝えいたします。

『コーススレッドステンレス規格とは? 数字の304や410とは?』

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コーススレッド選択ポイント

コーススレッドと一言で言ってもたくさんの種類があります。

コーススレッドを選ぶポイントは、サイズや材質や全ネジか半ネジかなどの選択要素があります。

木材厚み・・・コーススレッドの長さ

室内か屋外か・・・コーススレッドの材質 

室内は鉄・ユニクロ 

屋外はステンレス

接合・・・ピッタリ接合(半ネジ)、強度を重視(全ネジ)など

使用条件で選びましょう。

コーススレッドと木ネジ・タッピンネジ・ビスの違い

コーススレッドと木ネジ・タッピンネジ・ビスはそれぞれ同じように使っていますが、正確には指しているものが違います。

コーススレッドと一般的なネジの木ネジ・タッピンネジ・ビスの違いを比較することで、分かりやすくなります。

前出でコーススレッドの特徴を簡単にご説明しましたが、比較のために他のネジ類(木ネジ・タッピンネジ・ビス)も簡単にご紹介いたします。

木ネジとは

木ネジの出典カタログ

出典:http://www5a.biglobe.ne.jp/【ネジのカタログ】

 

木ネジ(もくねじ)  英語名:wood screw 

木材用でJIS規格あります。 

形状は上の『ネジのカタログ』にあるようなものです。

ネジの中でも木を固定するのに特化したねじのことです。

タッピングネジ似てはいますが、金属などを締結するには不向きです。

タッピングネジは全ネジですが、木ネジは半ネジ

ネジの先端が尖っていて軸の一部(全長の2/3ほど)がネジ部になっているのが特徴です。

これは、コーススレッドの半ネジと同じ特徴です。

取付材にネジ山がかからないため、全ネジのように隙間ができることが少なく、相手材への固定力で取付材を押さえる形になるので、密着して締め付ける力が強まる。

また、戻り止めやがたつきを防止するとされています。

基本的に木ネジは、木ネジの太さの70%くらいの大きさの下穴を開けてからドライバーで締め付けましょう。

タッピンネジとは

タッピンネジの出典カタログ

出典:http://www5a.biglobe.ne.jp/【ネジのカタログ】

 

タッピンネジ 英語名: tapping screw
主に薄板金属用でJIS規格あります。

ねじ山が粗目の全ねじになっている。

鉄材等に使われる、雌ネジ切り不要なねじです。

あらかじめ、ドリル等で下穴をねじの直径よりも少し小さめにあけて置けば、下穴にそのままネジ込んでいくだけで接合可能です。

簡単に薄い金属部分に固定できます。

ビスとは

vis(ビス)

 

ビス  フランス語名:vis

ビスは、小さい雄ネジのことを指す使い方が一般的です。

「すりわり」や「十字穴」を持つおねじ部品を指すことが多く「小ネジ」とほぼ同義です。

小さな雄ねじの総称で通常8mmより径が小さいもので、

先が尖っているものを「ビス」と言い、

先の尖っていないものを「小ネジ」と言います。

 

 

まとめ

今回は『コーススレッドとは?』と題して、コーススレッドの特徴やビス・木ネジとの違いをご説明いたしました。

コーススレッドは、一般的なネジとは異なり、粗く深いネジ山を持っています。強力な締結力・高い保持力が特徴で電動ドライバーやインパクトドライバー向きのネジです。

コーススレッドと一般的なネジの木ネジ・タッピンネジ・ビスの違いを比較することで、分かりやすくしました。

コーススレッドを選ぶポイントは、サイズや材質や全ネジか半ネジかなどの選択要素がありますので、引き続きお読みください。

続きはリンク下の コーススレッドの関連記事 からお読みください。

 

とりあえず参考になれば幸いです。

では、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

DIYネットサンク  ノマー

引き続き

 コーススレッドの関連記事 

コーススレッドについて、本記事以外にも下記のようにありますので、

ご理解いただけますように是非ともお読みください。

『コーススレッド規格とは?商品パッケージから分かる5つの情報!』

『コーススレッドの長さは?取付材の厚みとネジ込み深さ20mm以上』

『コーススレッドステンレス規格とは? 数字の304や410とは?』