ディアウォールの耐荷重とは、支柱や棚部材が「何kgまで耐えられるか」を示した値です。しかし、公式サイトにはディアウォール作例の耐荷重は明記されていません。ですから、不安なあなたにDIYする前に知りたい『棚や支柱の耐荷重を上げる方法』をご紹介します。
●「ディアウォールは、専用木材のワンバイ材ツーバイ材であれば使用することが出来るようですが、これらの木材で本棚をDIYする時、本の重みで転倒しないように耐荷重を上げるには、どのようにすればいいのでしょうか?」
●「ディアウォール2×4材1本で耐荷重はいったい何kgまで耐えることができますか?」
今回は工業デザイン業を営みDIY歴17年の筆者が、このようなディアウォール耐荷重に対する不安やお悩み・疑問点、ディアウォールでDIYした本棚の転倒防止について、またDIY棚の耐荷重を上げる方法などをご紹介します。
先ず、ディアウォールとは?
ディアウォールは天井と床に縦方向に垂直に突っ張り棒を立てて、新規に仮設の柱を作る人気商品です。
正しい使い方を覚えると、アイデア次第でDIYの夢が膨らみ、飾り棚や壁面収納など自由なインテリアをDIYできます。
特に、ディアウォールは壁にビスを打つ必要がないので、壁に傷や穴を開けられない賃貸住宅で、棚DIYを諦めていた方々の救世主になり重宝されています。
使い方を間違えなければ、簡単にディアウォールの取り付けや取り外しができます。
この記事は特に『ディアウォール使い方』、その他に『ディアウォール棚受け』または『ディアウォール中間ジョイント』について理解すると、スムーズに読み進めることができます。
『ディアウォール使い方』や『ディアウォール棚受け』または『ディアウォール中間ジョイント』って何って思った方は、関連記事を是非ともお読みください。
ディアウォールの基本がよくわかります。
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『ディアウォール使い方の基本情報』の詳細記事
『ディアウォールの使い方!棚作りの前に知っておきたい4つの基本とは?』
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『ディアウォール棚受け!簡単におしゃれに強度アップの方法とは?』
『ディアウォール中間ジョイント使い方』の詳細記事
『ディアウォール中間ジョイントの使い方とは? 長さと強度に注意!』
ディアウォールの耐荷重を上げる!7つのDIY棚設置とデザインとは?
結論から言いますと、無理のないデザイン設計で安全な取り付け方法のことです。
ディアウォール柱は床面と天井面にツーバイ材を突っ張って作る簡易柱で、壁面にネジ固定されている訳ではないので、強引に手前に引っ張れば、天井面が壊れ外れてしまいます。
しかし、壁面にネジ固定された柱は壁面を壊さない限り決して外れることはありません。
この認識の違いは大きいと思います。
ディアウォール柱は固定柱ではないことを理解することがDIY棚を成功させる鍵です。
ディアウォールの耐荷重を上げるには ズバリ 7つ、
2つの『 注意する取り付け方法 』と5つの『 デザイン設計 』です。
2つの『DIY棚設置の取り付け方法』とは?
① 垂直(上下)方向に重心がかかるように使用!
② 取り付けに際し、押し付けて上に浮くような天井には使用不可!
設置後のぐらつき等がない状態で必ず使用!
5つの『デザイン設計』とは?
③ 商品紹介に掲載している施工例を参考にデザイン設計!
④ 柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにデザイン設計!
⑤ 木材の表面から40㎜以上になる場合は、棚板に脚を取り付け転倒しないようにデザイン設計!
⑥ 安定感のある自立するデザイン設計!
⑦ 複数本ある支柱は棚板などを利用して繋ぎ、全体を一体化して強度を図るデザイン設計!
以上の7つを守ると 、
ディアウォールの耐荷重は必ず上がり転倒防止になります。
ディアウォールで本棚DIY!作り方は簡単じゃないから図面付き!
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1. ディアウォールは耐荷重が一番不安で心配!
もしあなたがディアウォール棚のDIYをする時、または、DIYしようと思い、考えをめぐらした時、
先ず、収納したい物たちが決まり、設置場所が決まり、アイデアからデザイン設計が決まり、床から天井の寸法取りをして、机上で材料のワンバイ材・ツーバイ材などのディアウォール柱の長さ寸法を出して、
「さあ~て、ディアウォール売り場へ材料の買い出しに行こう!」と思った時、一瞬不安になりませんか?
「棚板20㎝出てるけど、倒れないかしら?」
「このまま作ってしまって、地震で倒壊しないだろうか?」
「危ない?本当に大丈夫かな?・・・・」って。
ディアウォールの耐荷重について知識があれば、問題なくDIY棚の取り付けが出来ますが、知らないと、やはり不安になるものですね。
少しでも転倒倒壊を感じたらは、デザイン設計の見直しが必要です。
デザイン設計はDIYの初期段階に始まり、完成作品の成功を左右する最重要ポイントです。
では、ディアウォール耐荷重の解説を始めます。
2. ディアウォールのダメな使い方は強度・耐荷重が落ちる!
ディアウォールの耐荷重を上げる!DIY棚設置とは?①・②
ディアウォール公式サイトでやってはいけないダメな使い方を調べてみました。
ダメな使い方とは?
またそれは何故ダメなのでしょうか?(理由付き)
1.
垂直(上下)方向にのみ使用して下さい。
落下の恐れがありますので、横向きには絶対に使用しないで下さい。(公式サイトより)
理由:水平方向用の突っ張り棒(つっぱりぼう)と構造が違い、水平方向では強度がでないので使えません。
ディアウォールは垂直方向用に開発されて、専用木材にかぶせる樹脂成型品の上下パッドのことです。
上パッドに内蔵されたスプリング2本で突っ張る構造のため、垂直方向の耐荷重は強力に効きますが横向きには使用できません。
2.
取り付けに際し、押し付けて上に浮くような天井には使用不可です。
天井の高さを測る時に天井を押し上げてみて下さい。
また、間仕切りを目的の使用はできません。(公式サイトより)
理由:ディアウォールは上パッドに内蔵されたスプリングの反発力で、天井と床の間で突っ張る簡易柱です。
突っ張り棒は、寸法が一定して変わらない向かい合う壁面などの間に、押し当てて固定する方法です。
押し付けて上に浮くような天井では、天井と床の間の寸法が一定ではなく増加してしまったり長さが足りない状態になり、上パッドに内蔵されたスプリング反発力が保てないため使用できません。
3.
本製品の使用にあたり、天井・床・取付け物等、状況により強度が異なります。
設置後のぐらつき等を確認し、転倒の危険が無い範囲で使用して下さい。(公式サイトより)
理由:ディアウォールは上パッドに内蔵されたスプリング反発力で天井と床の間で突っ張る簡易柱ですので、仮固定された支柱と考えましょう。
4.
市販のツーバイフォー材は寸法に多少の誤差があります。場合により使用に不都合となることがありますので、なるべく反りやねじれの少ない木材をご使用頂く事をお勧めします。また、パッドに挿入できない場合は、挿入部分の木材を削ることで調整して下さい。(公式サイトより)
理由:ディアウォールは垂直方向の設置が一番耐荷重や強度がでるので、反りやねじれで水平垂直が保たれないと強度に影響するため。
専用木材(ツーバイ材やワンバイ材と言う規格木材)のホワイトウッド材とSPF材は安価で有難いのですが、ばらつきあり、反りやねじれがあるものもあるので注意しましょう。
関連記事
専用木材(ツーバイ材やワンバイ材)の選び方は関連記事をご覧ください。
『ホワイトウッドとSPF木材って?失敗しない5つの選び方とは?』
関連記事
ワンバイ材・ツーバイ材の規格サイズについて書いた記事があります。
SPF材・ホワイトウッドの市販品の全てのサイズ(太さと長さ)がすぐに分かる一覧表です。
『ワンバイ材・ツーバイ材DIY木材サイズ早見表』のA4サイズPDFダウンロードが無償できます。
『SPF材のサイズ一覧とは?4種類の木材規格サイズ早見表!』
ワンバイ材・ツーバイ材DIY木材サイズ早見表
5.
本製品は耐震補強目的での使用はできません。
理由:耐震補強目的の商品ではないので強度は保証されていません、やめましょう。耐震補強目的ならば専用の商品がいくらでもあるので、そちらを使いましょう。
これを守らず誤った使い方で、ディアウォールDIY棚などが転倒し貴重品が破損した場合などは、自己責任になります。
取り付けに関しては、下図を見てください。
仕様は様々ですが、ディアウォールを取り付ける一般住宅洋室の壁・床・天井の断面図は大体こんな感じです。
一般洋室矩計図
天井は天井野縁という40㎜程度の角材に天井板(石膏ボード:せっこうを主成分とした素材を板状にして、特殊な板紙で包んだ建築材料で、主に厚み9.5㎜・12.5㎜・・・)の天井面に壁紙を貼ったものを取り付けた構造で、天井なので軽量に造るのが通常です。
ですから、強度はさほど頑丈ではありません。
また、上図のように、床(フローリング)は、人や物が載るので強度的にかなり頑丈に造られています。
ディアウォールはこのような頑丈な床と天井に設置することが条件です。
天井の高さ(天井面と床面の長さ)は変化しないことです。
ディアウォールは、
『取り付け場所の天井の高さから 40㎜短くカットした柱の長さ』
を使いますが、その柱の長さは、かなりシビアな寸法です。
(公式サイトでは45㎜になっていますが40㎜の方がピッタリ寸法になります)
『長いときつくて入らないし、長さが足りないとゆるくて外れる』訳です。
ディアウォール上パッド内の2本のスプリングの反発力が、天井面を突き、強度を保ちながら破損しない適度の力で押し続けるために、丁度いい適合長さです。
しかも、垂直に取りつくことが最高に強度を保てる条件でもあります。
地味だけど凄く重要な計測作業
ディアウォールDIYの基本中の基本は、正確なディアウォール柱の長さを切り出すことです。
その長さは天井高から40㎜引いた長さでしたね。
つまり、ディアウォールで一番先に行う作業が天井高の測定です。
実はこの計測がかなりシビアで・結構・とても・かなり重要なんです。
通常は巻尺メジャーで測りますが、ひとりで計測すると意外と難しいんです。
メジャーが折れたり曲がったり、正確さに欠けます。
何度やっても数値が少し違う!だから、正解がわかりません。
そんな時は『レーザー距離計』がおすすめです。
Tooltooメジャー
伝統的なメジャーと違って、本来の巻尺機能を保留し、レーザー距離計の機能も追加されました。
こちらのメジャーはレーザーでも測られます。
巻尺で測定でき、レーザーで面積、体積、ビタゴラスを測定するのもできます。
天井の距離などの測定はレーザーを使用すれば、一番簡単で正確です。おすすめです。
下図はディアウォールの取り付け手順です。
柱の垂直立て(完成)の【拡大図】を見てください。
ディアウォールはこのように上パッドのスプリング2本の反発力で取り付いています。
柱の垂直立て説明図
これらの情報から
ディアウォールの耐荷重を上げるには? ①②
先ず、2つの『 注意する取り付け方法 』が重要になります。
① 垂直(上下)方向に重心がかかるように使用!
② 取り付けに際し、押し付けて上に浮くような天井には使用不可!
設置後のぐらつき等がない状態で必ず使用!
3. PL法に関わるディアウォールの説明書
その他に、PL法のからみも出てくるので、正しい使い方をしましょう。
PL法(製造物責任法)とは?
欠陥製品による被害から消費者を保護する目的で制定された法律です。
企業の過失の有無に関わらず、製品の欠陥さえ証明できれば、企業に賠償責任があるものとされる。
1960年代にまずアメリカで法制化され、日本では1995年に施行されました。
メーカーとしてPL法は、
製品の欠陥はあり得ないことですが、間違った使い方を消費者にされて事故を起こされたら、これも困る訳ですから、ディアウォール説明書などで重要事項として必ず表記しています。
ですからユーザーにとって、
ディアウォール説明書等の理解は、安全に正しく製品を使うための手引き書になる訳です。
4. ディアウォールで作った棚の強度や耐荷重は明記されていない!!
何故、ディアウォールでDIYした棚の強度や耐荷重が数値で明記されていないのでしょうか?
当たり前のことですが、各個人が作ったディアウォール棚などの作品は、使用状況により大きく異なりますので、設置場所の条件が様々で数値化できません。
ディアウォールの必須使用条件は強度のある床面と天井面に突っ張り棒のように設置することです。
個々の住宅の床面と天井面の強度は不明で、たとえ強度のない天井、押し付けて上に浮くような天井でなくても弱い天井に取り付けて、一時的に設置されたディアウォール棚に重い書籍や電化製品を載せていて、3か月後に転倒倒壊したとしたら、それは自己責任になる訳です。
もしかしたら、軽いものだけを載せていたら転倒倒壊しなかったかもしれませんけど。
いずれにしても、自己責任で判断して、設置するためにNGな使い方をしないことです。
5. ディアウォール作例の模範とは?
ディアウォールの耐荷重を上げる!デザイン設計とは?③
ディアウォール公式サイト『Q&Aよくある質問』より
Question 1.「ディアウォールはどのくらいの荷重に耐えられますか?」
Answer 1.「使用状況により大きく異なります。商品紹介に掲載している施工例を参考に、ご自身で状況を確認しながら設置してください。」(公式サイトより)とあります。
解説:サイトギャラリー等にあるディアウォール作例の写真を参考にして、自己判断でと記載されています。
ネット上では『第5回ディアウォール創作コンテスト』はメーカー(若井産業HI営業部)の模範解答も公開投稿されています。
高評価された素晴らしい作品群の中から6点まとめてみました。
『ディアウォール創作コンテスト』6点まとめのイメージ図
『ディアウォール創作コンテスト』作例は、どれもシンプルに綺麗に安定感あるデザインです。
商品紹介に掲載している施工例を参考にするとは、『ディアウォール創作コンテスト』のようなデザイン設計です。
この情報から
ディアウォールの耐荷重を上げるには? ③
次の『デザイン設計』が重要になります。
③ 商品紹介に掲載している施工例を参考にデザイン設計!
ディアウォール公式サイト『Q&Aよくある質問』より
Question 2.「ディアウォールで立てた柱や取り付け物に、登ったり体重をかけたりても大丈夫ですか?」
Answer 2.「危険なため絶対にしないでください。その他、扉をつけるなど、ディアウォール及び取り付け物に対して体重のかかるような行為・用途は転倒の恐れがあります。」(公式サイトより)と記載されています。
解説:それはそうです!
ディアウォール柱は突っ張り棒で天井用上パッドのスプリングの反発力だけで仮固定されている簡易柱ですから
扉をつけるなどの転倒する恐れのあるデザインは自己責任で、と言うことですね。
6. ディアウォール棚板の出っ張り寸法とは?
ディアウォールの耐荷重を上げる!デザイン設計とは?④
ディアウォール公式サイト『Q&Aよくある質問』より
Question 3.「棚を作る場合、どれくらい棚板を前に出しても大丈夫ですか?」
Answer 3.「下図のように、④柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにしてください。(公式サイトより)と記載されています。
メーカー(若井産業HI営業部)の模範解答は、前出の『第5回ディアウォール創作コンテスト』でしたね。
このようにデザイン設計しディアウォール棚をDIYすれば、ディアウォール棚が転倒することはないでしょう。
地震で棚のものが落ちることがあっても、ディアウォール柱が外れてディアウォール倒壊することは無さそうです。
物の落下防止には、棚板に100均の滑り止めシートを敷いて置いたり、転び止め(落下防止バー)を取り付けておくだけでも効果があります。
100均セリアのアイアンバー(アイアンウォールバー)は優れものでおすすめします。
柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようの項目がしっかり守られています。
でも?何が危ないのでしょうか?
そうです!重心の問題ですね!
木材の表面から40㎜以内は安定域ということです。
ディアウォール柱と棚板・収納物などの全重量は垂直に床面の下パッドにかかります。
ディアウォール柱は垂直に荷重がかかる場合は非常に強力な耐荷重になります。
例えば、
ツーバイフォー材を自立させた状態で真上から荷重をかけたとすると、垂直状態ならばディアウォールの下パッドが破断するまで倒れないでしょう。その時何kgで破断するかわかりませんし、何kgの耐荷重がかかるかわかりませんが、かなりいけそうです。
物体は転倒モーメントと安定モーメントが同じなら転倒しません。
でも少しでも傾けると簡単に倒れてしまいますよね。
重心が自立した安定域から転倒域にずれるからです。
つまり、
転倒モーメントが安定モーメントより大きくなり転倒します。
この情報から
ディアウォールの耐荷重を上げるには? ④
次の『デザイン設計』が重要になります。
④ 柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにデザイン設計!
7. ディアウォール棚板に脚を取り付けるとは?
ディアウォールの耐荷重を上げる!デザイン設計とは?⑤
ディアウォール公式サイト『Q&Aよくある質問』より
Question 4.「棚を作る場合、どれくらい棚板を前に出しても大丈夫ですか?」
Answer 4.「下図のように、④柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにしてください。万が一収まらない場合は、⑤棚板に脚を取り付け転倒しないようにしてください。」(公式サイトより)と記載されています。
「棚板に脚を取り付け転倒しないようにするか」とは、何のことでしょか?
下の写真は公式サイトでよく見るディアウォール作例の写真です。
この写真を例に解説すると、デザインの下段のPCを操作する棚板(テーブル面)には3本の脚がついています。
見た目も安定しており実用的な素敵なデザインです。
しかし、もしも、この脚がなかったらどうなるでしょうか?
脚付きのデザインと脚なしのデザインで比較してみました。
棚板に脚を取り付け、転倒しないようにする比較図
先ず、上図右上の脚なしのデザインをご覧ください。
おそらく、PCを棚に置き全く触らなければ、すぐに転倒することはないかもしれません。
しかし、PCを操作するためには棚板(テーブル面)に肘をつきながらします。
すると、荷重は棚板の手前に加わりますので、テコの原理で、床部分のディアウォールを支点にして手前に倒れる方向に負荷が加わります。
上図断面図右下を参照してください。
テコの原理とは荷物を持ち上げるとき、棒の中央を持って持ち上げるより、棒の先端を持って持ち上げる方が小さな力で持ち上げることができるという原理。
支点から距離が長いほど、回転させる力が高くなる。力のモーメントが強くなるということです。
間違いなく、天井部分が外れて転倒するでしょう。
逆に、上図左上の脚付きのデザインでは、
荷重は棚板の脚に垂直方向に加わり、床で受けますので、不安定なテコの原理は生じません。
たとえ、天井面のスプリング反発力がなくても、このデザインは安定自立しています。
ディアウォールDIYで作る棚や本棚・クローゼット・壁や壁掛けテレビなどのデザインは、ディアウォールの転倒防止をしたければ極力、安定自立した構成のデザイン設計にした方が良いです。
だからメーカーでは『柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにしてください』と推奨しています。
この情報から
ディアウォールの耐荷重を上げるには? ⑤
次の『デザイン設計』が重要になります。
⑤ 木材の表面から40㎜以上になる場合は、棚板に脚を取り付け転倒しないようにデザイン設計!
8. ディアウォール棚板の重心とは?
ディアウォールの耐荷重を上げる!デザイン設計とは?⑥⑦
ディアウォール公式サイト『Q&Aよくある質問』より
Question 5.「棚を作る場合、どれくらい棚板を前に出しても大丈夫ですか?」
Answer 5.「下図のように、④柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにしてください。万が一収まらない場合は、⑤棚板に脚を取り付け転倒しないようにするか、⑥棚と棚に置くものを合わせた重心が下図の青い個所の範囲内に収まるようにしてください。」(公式サイトより)と記載されています。
「重量のあるものや貴重品等は棚に載せないで!!」とも説明しています。
棚の上方に載せるモノは極力軽いモノで、重いものは下方に置くと、より重心が安定しますよね。
次に
また上図右上の脚なしのデザインを見てください。
もし、持ち家の場合(賃貸では壁のネジ固定は避けたいので不可)、ディアウォールで作った簡易柱3本が壁にネジ固定されていたらどうでしょうか?
棚板(テーブル面)と柱の固定強度にも関係しますが、3本の脚がなくてもディアウォールは倒れることはないでしょう。
柱3本を壁にネジ固定するなら、ディアウォールを使う必要性がないように思われますけど、ディアウォールは位置固定程度の役割に使用するのも十分ありかなと思います。
何度も言いますが、ディアウォールで作った柱は簡易柱です。
だから簡単にディアウォール取り付けやディアウォール取り外しができるのです。
勘違いするとキケン!!
ディアウォール柱は固定された柱ではないので、棚や横繋ぎ板・筋交いなどを使い、全体を一体化しすると強度が上がります。住宅の柱と同じような補強も必要です。
テコの作用が生じないように、荷重はディアウォール柱の垂直方向にかかるようにデザイン設計すると、転倒防止や天井が抜けるのを防ぎ、強度が上がる訳です。
この考え方がディアウォールを最大限に安全に便利に利用する心構えではないでしょうか。
この情報から
ディアウォールの耐荷重を上げるには? ⑥⑦
次の『デザイン設計』が重要になります。
⑥ 安定感のある自立するデザイン設計!
⑦ 2本以上ある支柱は棚板を利用して繋ぎ、全体を一体化して強度を図るデザイン設計!
前出の通り、
これら5つの『デザイン設計』からアプローチするディアウォールの耐荷重を上げる方法を工業デザイン業を営む筆者の視点から図解入りでご説明しました。
『7つのDIY棚設置とデザイン』をクリアすれば、間違いなくディアウォール棚の 転倒防止になります。
以上です。
引き続き、
じゃあ、実際に作ると、どうなるでしょうか?
ディアウォール棚DIYで、収納でかなりの強度・耐荷重を求められる本棚を賃貸で設置できるように
わざわざオリジナルデザインを考えてみました。
比較的簡単な作り方で耐荷重を得られ、賃貸住宅におすすめできるデザイン設計をご紹介しています。
ディアウォール本棚 2つの完成予想図 からご覧ください。
PDF図面をダウンロードできますので、参考にしてください。
提案デザイン1(ディアウォール本棚で壁一面に漫画を収納)
図面付き
このディアウォール本棚の作り方は図面付きで別記事で投稿しています。
かなり詳細に基本的な本棚の作り方を
解説イラストとダウンロード可能な制作図面・ディアウォール本棚の予算もお伝えしています。
続きはこちらから!
ディアウォール本棚の作り方で、失敗しないための注意点やDIY方法をご紹介します。
意外と重たい書籍やコミック収納棚の棚受け強度や安定自立した重心位置で、
実際に賃貸で設置できる強度や耐荷重を兼ね備えた自作する
オリジナルデザインでご紹介いたします。
提案デザイン2(ディアウォール本棚アジャスター付き)
図面付き
提案デザイン2(ディアウォール本棚のアジャスター構造)
本棚説明図
DIYの基本必須工具の関連記事:
ツーバイ材を主材にしたDIY初心者におすすめの必須工具11点をご紹介しています。
DIY初心者におすすめの必須工具11選!実例で使い方をご紹介!
このディアウォール本棚の作り方は図面付きで別記事で投稿しています。
続きはこちらから!
ディアウォールで本棚DIY!作り方は簡単じゃないから図面付き!
ディアウォール本棚DIYで一番注意したいことは、
強度や耐荷重です。本って結構重くなるので、
重たい書籍収納棚の棚受け強度や安定自立した重心位置が大切です。
実際に賃貸で設置できる強度や耐荷重を兼ね備えたオリジナルデザインを
ご紹介いたします。
まとめ
ディアウォール耐荷重を上げる方法をご紹介しました。
ディアウォールの正しい設置は、メーカーの若井産業株式会社IH営業部さんのHPや製品裏面の説明書などに記載されています。
どんな製品でも道具でも製作者の意図があります。
なので、取扱説明書の理解は、かなり重要だと思いますので、私は必ず熟読します。
しかし、ディアウォール説明書などを軽視して、ご自分のDIYで独自の使い方をするのも楽しいですね。
自己責任においてするのは、全く自由ですがキケンなことはやめましょうね。
私の場合、メーカー時代からも、そしてフリーランスになってからも長年、量産の工業デザイン業にどっぷり浸かっているので、仕事を離れてDIYする時くらいは、一品制作の気楽さや自由さを楽しみたいのですが、ついつい職業病になってしまいます。
ディアウォールの耐荷重を上げるには ズバリ 7つ、
2つの『 注意する取り付け方法 』と5つの『 デザイン設計 』でしたね。
2つの『DIY棚設置の取り付け方法』とは?
① 垂直(上下)方向に重心がかかるように使用!
② 取り付けに際し、押し付けて上に浮くような天井には使用不可!
設置後のぐらつき等がない状態で必ず使用!
5つの『デザイン設計』とは?
③ 商品紹介に掲載している施工例を参考にデザイン設計!
④ 柱に使用した木材の表面から40㎜以内に収まるようにデザイン設計!
⑤ 木材の表面から40㎜以上になる場合は、棚板に脚を取り付け転倒しないようにデザイン設計!
⑥ 安定感のある自立するデザイン設計!
⑦ 複数本ある支柱は棚板などを利用して繋ぎ、全体を一体化して強度を図るデザイン設計!
以上の7つを守ると 、
ディアウォールの耐荷重は必ず上がり転倒防止になります。
以上です。
DIYであなたのDIY作品に参考になれば幸いです。
では、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
DIYネットサンク代表 ノマー
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